お店紹介

徳島に生まれ、大阪の陶器問屋で長年修業をつんだ初代井原弥七が大正初期、五条坂近くに陶器店を開店。当初は、清水焼きをはじめ全国の陶器を自ら背負い、京都の料亭、旅館に売り歩いたという。そして戦後、2代目井原好雄の代になり、その名前から「陶器好きの店」という意味も込めて陶好堂に社名を変更。業務用の食器だけでなく、一般の家庭で使う食器にまで扱い商品を広げた。今では、京都はもちろん全国の小売店に京焼きを中心とした陶磁器を卸している。

商品紹介

店内に整然と並ぶ食器の約8割は京焼き、それもそのほとんどがプロの料理人が使うもの。いったいプロが使う食器と一般家庭で使うものとにはどんな差があるのだろう? 普通、一般の人が食器を購入するとき、形や色柄など自分の好みにあった食器を選ぶことが多い。ところが料理人は、自分の好みだけでは器を選ばない。自分の作る料理が映える器をまず選ぶ。もちろん多少は料理人の好みも入るが、料理を盛りつけてみて、一番美しくおいしそうに見える器を選ぶのだ。たとえば料理を盛る真ん中の部分は白い皿や鉢が多い。

「つまり、料理を主役にできる器がうちにはあるということです」と専務取締役の井原道夫さん。窯元から見本として上がってきたものをそのまま仕入れることはないから、商品のほとんどがオリジナルになる。いかに料理をひきたてられるかに苦心し、色やデザインを指定するのも楽しいことのひとつだという。

専務取締役井原道夫さん

「器が好き」だからもちろん仕事は楽しい、でもこの仕事のおもしろさはそれだけではないと井原さんは言う。

知らず知らずのうちに、自分のなかの知識のひきだしがどんどん増えているのだとか。というのも、器を売るためには、いろんなことを知っていなければいけない。たとえば茶道や華道。お茶の心や作法を知らずして茶わんや菓子器を売る事などまずできない。そういう意味では、料理もしかり、建築もしかりと多岐に渡って知識を身に付ける。そして身に付いたものがみな商売の役に立つ。ちょっとした世間ばなしのなかから新しい発想が生まれ、商売になることもある。「興味をもって身に付けたことが仕事につながるっていうのはすごく楽しいでしょ」といかにも楽しげに井原さんは言った。